現代人は、昔の人と比べて顎が小さくなっています。
これは子どもが成長する過程において、母乳から離乳食へと移りながら、そして歯が生え始めるに従い、噛む力がついてきます。
しかし、現在私たちの食生活では噛む力がなくても食べられるものが沢山存在します。そのため、大人の咀嚼力の低下だけでなく、子どもの噛む力も低下してきている事が問題です。とにかく噛む回数が少なくなっているのです。噛むことは、栄養を吸収しやすくするだけでなく、脳の発達にも重要な役割があります。子どもの成長に合わせて、噛む力を鍛える必要が有ります。

現在人の顎の大きさは小さくなっていると言われていますが、日本大学松戸歯学部の葛西教授が興味ある研究を発表しています。なんと「縄文人と現代人のあごの大きさは同じ」だと言っておられます。

葛西教授によれば「縄文人と現代人の下顎骨をCTスキャンした数字を比較した結果、
歯列幅は縄文人が広かったが、骨体最大幅や骨体基底幅は縄文人、現代人ともほぼ同じ結果でした」という報告です。

葛西教授は「臼歯(奥歯)本来の役割であるすり潰しながら噛む運動「臼摩運動・グラインデイング咀嚼」がきわめて少なくなっているため」と分析しています。
一口で噛む回数が30回以上だけではなく「噛み方」の質が歯・顎の成長や綺麗な歯並びを形成する為には大切だと言われています。

食習慣を軟らかい物を食べる傾向を改善が重要です。
数回噛で飲み込んでしまわないで、噛みきり、そして奥歯ですり潰す食事を心がける必要が有ります。
患者さまの食習慣・咬み癖・噛み方・噛みよい感覚を考慮し、歯科治療に関しての詰め物・かぶせ物・入れ歯(以上補綴物)などをご案内させて頂きます。

開院後は些細な事でも結構ですのご相談下さいませ。