板野の皆さん、こんにちは。canstockphoto20472396
今日から顎口腔機能に関するいくつかの障害について、数回に渡ってご紹介いたします。
今日は咀嚼障害・嚥下障害について、お伝えします。

咀嚼障害
咀嚼は食物を細かくなるまで歯でよく噛み、飲み込みやすい状態にすることです。
咀嚼には口や顎の様々な器官の複雑な運動の組み合わせで行われており、これらの運動をつかさどる器官や運動に障害が生じ、うまく食物を噛んで飲み込める状態にすることが出来なくなるのが咀嚼障害です。

咀嚼障害は大きく次のように分けられます。
・組織の欠損(歯・顎骨・口唇・頬・舌などが欠損し、食物をうまく噛むことができず咀嚼機能が障害される)
・咬合異常(個々の歯・顎骨の位置や発育、骨折後の変形などによる障害)
・顎運動の障害(筋肉や神経、関節の異常により下顎運動が妨げられ咀嚼障害が生じる)
・疼痛(炎症による歯痛、または骨折・口内炎などの痛みのため噛めない場合の障害)

嚥下障害
嚥下(えんげ)は食物を飲み込む動作のことで、食物を口腔から胃まで運ぶ「飲み込み」の運動に障害が生じることを嚥下障害と言います。
嚥下障害が起こると食物をうまく摂取出来なくなるので、栄養低下と食物の気道への流入(誤嚥)による嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)が問題になります。
嚥下障害には重度の口内炎・口底炎・腫瘍などの他、手術後の組織欠損や瘢痕などが原因の時もあります。
嚥下には多くの器官が関わっているので、関連する器官が障害を受ける様々な疾患で嚥下障害が引き起こされてしまいます。

嚥下障害を引き起こす疾患にはいろいろなものがあり、とくに脳梗塞・脳出血などの脳血管障害が起きやすいです。
また高齢者の肺炎は、多くが加齢による嚥下機能の低下によって引き起こされる嚥下性肺炎であるともいわれており、高齢化社会を迎えてその対応が問題になっています。