板野の皆さん、こんにちは。
前回は歯ぐきへの影響とヤニ汚れについてお伝えしました。
今日は喫煙が原因で起こる口臭と口腔がんについて、お伝えします。
煙草は口臭を悪化させる原因に
煙草を吸うことで口臭がする確率は高くなると言われています。
ですが火をつける前の煙草のにおいを嗅いでみても臭いとはあまり感じませんよね。
ではなぜ煙草を吸った後の口はにおうのかと言いますと、以前お伝えした煙草の煙に含まれる有害物質であるタール、ニコチンが主な原因です。
タールはそれ自体が独特のにおいを発しており、これが舌や歯、歯垢、歯石などにも付着することで、口内にもタールのにおいが残り、それが口臭の原因になると考えられています。
ニコチンの作用として血管の収縮や血圧上昇が引き起こされますが、それにより口腔内の血液循環機能が低下し、唾液の分泌が抑制されてしまうのです。
唾液の分泌が減ると口腔内に菌が繁殖しやすくなり、結果悪臭が発生してしまうのです。
また一酸化炭素にも体内の酸素濃度を低下させる働きがあり、口腔内の酸素濃度が低下することでドライマウスの原因を作り口臭を引き起こしてしまいます。
口臭を悪化させる原因として他にも利尿作用のある飲み物(コーヒー、紅茶)や糖質の多い飲み物は、体内の水分量を減らしてドライマウス、口腔内に残るタールの量を増加させる恐れがあります。
口腔がんの最大のリスクは喫煙
煙草を吸うことで起こるお口のトラブルには、口内に癌ができやすくなるというものもあります。
喫煙者は非喫煙者の約7倍も口腔がんが発症しやすく、死亡率も約4倍高いと言われており、煙草を吸われる方はその危険性を十分理解しておかなくてはなりません。
口腔がんは40~60歳代が最も発症しやすく、高齢になるほど多くなります。男性の喫煙者が多いことと比例して、口腔がんは女性よりも男性のほうが発症する可能性は高いです。
ですが口腔がんはがん全体に比べると患者数は少なく知名度も低いので、見過ごされがちです。
早期に発見、治療をすれば比較的予後も良好ながんなので、定期的に自分の口内をチェックしたり症状を知っておき、気になることがあれば医療機関に受診をするようにしましょう。
また口腔がんの一番の原因は喫煙ですが、それ以外にも飲酒や熱い食べ物や飲み物を習慣的にとると、口内へ刺激を与えすぎて細胞ががん化することもあります。
合わない入れ歯や詰め物の取れた歯やむし歯を放置することも、食習慣同様に一カ所に刺激を与え続けたことになり、口腔がんを作ってしまう原因になります。