板野の皆さん、こんにちは。
今回で4回目となる喫煙に関するお話になります。
これまでの記事で紹介したいくつかの喫煙の影響への対処法について、お伝えします。

■歯ぐきへの影響
■ヤニ汚れ
■口腔がん
■口臭

このいずれもが喫煙が原因で引き起こされている可能性の高いものばかりです。これらを改善するにはやはり「禁煙」が一番です。f381e46d8784168242f948aa4fdace88_s
最近では喫煙者の数がぐっと減り、禁煙グッズや方法もたくさん増えてきています。当然、上記の症状の他にも健康にプラスになることばかりなので禁煙の良いタイミングと思って始めてみるのが良いでしょう。
どうしても禁煙が難しい人は、最近普及が進んできている煙の出ないタバコに変えてみるのも良いかもしれません。
煙の出ないタバコはタールの吸引を大幅に軽減できる点で、歯につくヤニの量は大幅に軽減できると言われています。全国的に普及し始めたばかりなので、実際の違いや分かりにくい点もあ りますが、試してみる価値はあると言えます。
ヤニ汚れに関しては、歯科でヤニの除去やホワイトニングで歯を白くキレイに戻すことは可能です。ですが歯をキレイにするために努力しても、また同じように黄ばみや黒ずみをつけていては意味がありません。
色素のこびり付いた歯をキレイにクリーニングしたり、ホワイトニングする事は、歯科医院などで行えますが、出来ればキレイな状態を維持したいものですね。その後のケアや予防は毎日の習慣を変えなければ改善は出来ないと考えましょう。

進行したむし歯をそのままにしていたり、合わない入れ歯を無理して使っていて舌や頬を傷つけていたり、口の中が歯垢や歯石で汚れていたりすると口腔がんが発生しやすくなります。合わない入れ歯、破れたかぶせ物、治療していないムシ歯があれば放置せず、歯科医師の治療を受けましょう。口腔がんの予防で大切なことは、かかりつけの歯科医を持って、定期的な診療を受けることです。

35ec7290cf31168d582f85064952ed41_s口臭は歯周病が原因になっていることが多いので、その予防のため、半年に1回は歯科医院での検査を受けましょう。歯周病には口内の細菌の数だけでなく、病原菌と戦う免疫機能の強さ弱さ、遺伝的な資質、ストレス度、それから生活習慣が、歯周病の原因に大きく関係していることが分かってきています。
歯周病にならないようにするには、口の中のケアだけではダメだということですね。生活習慣とはつまり食生活、睡眠、それから喫煙、飲酒などが含まれます。こうした生活習慣に左右される歯周病は、糖尿病や心臓病などと同じ生活習慣病です。
内科医が高血圧の患者さんに「塩分を減らした食事をするように」「お酒を控えるように」と指導するのと同じに、歯科医では、喫煙習慣がある歯周病の患者さんには、当然「タバコをぜひやめましょう」とすすめることになります。これはとても大切なことなんです。
では、禁煙すれば歯周病が治るのかというとそうではなく、それはあくまで、歯の周りの組織にとって不利な条件のひとつを取り除いたのに過ぎません。きちんと治すためには、禁煙に加えて歯周病の直接的な原因のプラークや、それが固まった歯石を完全に歯の表面から取り除かなければなりません。そうして口内環境が整ってはじめて意味があるのです。
例えば、歯科医院を訪れた患者さんが一人、歯科での禁煙支援がきっかけで禁煙に成功したとしましょう。もちろん、危険因子となっていた歯周病は改善され、口腔がんのリスクは減少し、味覚が正常となり、楽しい食生活となるでしょう。
しかし、それだけではありません。お口以外の全ての臓器も同様に、危険因子がなくなることによって、色々な病気のリスクが減少するのです。さらに、同居する家族、友人、職場、道ですれ違う不特定多数の人々の受動喫煙、三次喫煙もなくなり、メリットは計り知れません。タバコから自分や大切なひとだけでなく、その周囲を守るためにも禁煙を始めてみてはいかがでしょうか。

それでは最後に喫煙が原因で起こるトラブルの予防のために必要なことをまとめましょう。

●たばこ、お酒を控える
●偏食をせずバランスの良い食生活を心がける
●歯磨きやうがいを習慣化して口の中を清潔に保つ
●むし歯の適切な治療、こまめな入れ歯の調整
●むし歯や歯周病を予防するためのクリーニングなどを受ける

お口の中を清潔に保つことは、身体全体に起こるリスクを下げることにつながります。健常な体を保つためにもよい生活習慣(タバコを吸わない、お酒を控える、ストレスをためない、バランスのよい食生活、適度なスポーツなど)を心がけましょう。