食育
投稿日 by

歯科における食育のご案内

食育(しょくいく)が充実することですべての予防につながります

毎日の食事は口から取り入れるためしっかり噛める歯が必要です。
人の味覚(みかく)は3歳位までに決まってしまいますが、しっかりした味覚を発達させることが病気やむし歯の予防となり健康に繋がります。
栄養バランスに優れた良い食生活では、脳の発育が良くなりすべてに好影響をもたらします。
ジャックフードなどは出来るだけ食べないことです。
どうしても間食が避けれない時は、おにぎりを進めています。
最近ではおにぎりが最高のおやつと言われています。

食育は0歳から始めましょう

当院では、これから母親になられる患者様や0歳児等のこども様が来院された場合は
先ず食事大切さのお話しから始めさせて頂きます。

生涯を通じた歯・口の健康と食べる機能

食育について

最近では食育という言葉をよく耳にしますが「食べ方」に関連する紹介は少ないようです。
当院では歯科の立場から、人が日常生活で行う「食べる」行為、すなわち、食物を噛むことの大切さやそれが脳に与える影響などを判りやすくご案内致します。
食育では、食物の食べ方が重要な柱として位置づけられています。

つまり、栄養バランスを考えた素材を、
 ○どのように口に取り込むか
 ○いかに味わい豊かに食べるか
 ○心の和む美味しい食べ方や飲み方を行うか
などが重要とされています。

「食べ方」は乳幼児期から学童期に口の成長に伴って発達します。
この時期の、かみ方・飲み方・味わい方などの「食べ方」が機能発達期に影響を与える為、
本人や家庭での「食べ方」を主とした食育が重要となります。

具体的には、
 ○心地よい環境で食べる
 ○しっかりと噛んで食べる
 ○栄養バランスの良い食事をする
などの知識と経験(体験)が重要です。

食べ物と食べ方の知識と体験があって初めて、食が健全な心身の糧となり、豊かな人間性を育(はぐく)むことができるのです。
よく噛んで食べることは唾液を促し、味を感じやすくし、満腹感も適度に得られ肥満予防、生活習慣病の改善・予防にも繋がります。
よく噛んで食べる習慣を身につけ、それを継続するために、自分の歯で何でも噛めるようにメンテナンスすることが大切です。
むし歯や歯周病の予防・治療を心がけ、お口の健康を保つ努力をします。
「早食い」や「丸のみ」などは肥満や生活習慣病に繋がります。小児期からの正しい「食べ方」を含めた健康な食習慣づくりが大切です。
ライフサイクルを意識して一人ひとりが豊かで健全な食生活を実践して、心豊かで健康な生涯を送ることができるように当院では「食べ方」を主とした食育を積極的にご案内させて頂きます。

噛む8大効用 ※8020推進財団よりご案内

噛む効用を標語にしました 「ひみこの歯がいーぜ」

肥満を防ぐ
よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます。 よく噛まずに早く食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太ります。 よく噛むことこそダイエットの基本です。
味覚の発達
よく噛むと、食べもの本来の味がわかります。人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。
できるだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう。
言葉の発音がはっきり
歯並びがよく、口をはっきり開けて話すと、きれいな発音ができます。
よく噛むことは、口のまわりの筋肉を使いますから、表情がとても豊かになります。
元気な顔、若々しい笑顔は、あなたのかけがえのない財産です。
脳の発達
よく噛む運動は脳細胞の動きを活発化します。
あごを開けたり閉じたりすることで、 脳に酸素と栄養を送り、活性化するのです。
子どもの知育を助け、 高齢者は認知症の予防に大いに役立ちます。
歯の病気を防ぐ
よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。
この唾液の働きが、 虫歯になりかかった歯の表面をもとに戻したり、細菌感染を防いだりして、 虫歯や歯周病を防ぐのです。
がんを防ぐ
唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれ、それには食物を30秒以上唾液に浸すのが効果的なのだとか。
「ひと口で30回以上噛みましょう」 とよく言いますが、よく噛むことで、がんも防げるのです。
胃腸の働きを促進する
「歯丈夫、胃丈夫、大丈夫」と言われるように、よく噛むと消化酵素がたくさん出ますが、食べものがきちんと咀嚼されないと、胃腸障害や栄養の偏りの原因となりがちです。
偏食なく、 なんでも食べることが、生活習慣病予防にはいちばんです。
全身の体力向上と全力投球
「ここ一番」力が必要なとき、ぐっと力を入れて噛みしめたいときに、丈夫な歯がなければ力が出ません。
よく噛んで歯を食いしばることで、力がわき、 日常生活への自信も生まれます。

成長過程における食育のポイントについて

胎児期の食育支援

胎児の健全な発育には母体の栄養摂取や健康状態が大きな影響を与えます。
「食べる」役割を果たす器官である歯と口腔は母体内で形成されますので、
規則正しく、バランスの取れた食生活が大切です。
母親の口腔の健康が生まれてくる子の健康に深く関わっていることが判明しています。
妊婦歯科健診は必ず受診するとともに、妊婦されたら自身の歯と口の健康についてもメンテナンスをしっかり行いましょう。

授乳期の食育支援

口から食べる準備のための食育支援 :口を使って遊ばせることを行いましょう。

授乳を通じての口腔機能の発達支援

○乳首をしっかりふくませて授乳させましょう
○出来るだけ母乳育児を心がけましょう
 母乳は赤ちゃんの病気を防ぎ、赤ちゃんとお母さんのきずなを強くします。

口から食べる(経口摂取機能)準備の支援

○指しゃぶり、玩具なめなどを積極的に行い哺乳反射の消失を促します
 離乳食や幼児食の「噛む」「のみ込み」などの口の機能発達の基礎にもなります。
○多様なものを口へ運び触覚刺激を与え哺乳反射の消失を促します
○舌、顎の動きが出来る経験を増やしてあげ離乳食を食べる動きの準備を行いましょう
 離乳期は離乳食を通して、少しずつ食べ物に親しみながら、
食べ物を「口に取り込む」「噛む」「のみ込む」など食べることを学び獲得していきますので、
離乳食への移行を適切に進めることが大切です。
○かんで食べる機能発達への食べさせ方を支援しましょう
 食べ物のかたさや大きさ(ひとくち量)が変化していく離乳食を、順調に噛んで、のみ込みが
発達していくためには、歯の生え方が影響します。
歯の生え方を観察して、それに応じた離乳食を与える様に工夫しましょう。
○食器から水分を飲む機能発達への飲ませ方を支援しましょう
 コップから水をのむ動きを引き出す飲ませ方を行います。
○離乳食の調理への食べ方・食べさせ方を支援しましょう
離乳食を上手に噛み、のみ込むためには唇がしっかり閉じていることが必要です。
スプーンなどで介助して食べさせるときもこのことに配慮し、食べさせる姿勢にも注意しましょう。

赤ちゃんは離乳に慣れて来ると徐々に手づかみで食べたがります。
手のかかる行動ですが、噛む機能の発達にはとても大切なことですので十分に経験させてあげましょう。

この頃には味覚が少しずつ発達する時期で市販のベビーフードや離乳食のみにならず、手作りの離乳食を与え、よく噛むことで味わえる味覚を感じさせ、さらにいろいろな食べ物を「見る」、「触れる」、「香る」ことによって、さまざまな五感を刺激させる事が重要で、これは幼児期に入っても大切なポイントです。

この頃、歯が生えてくるのですが、生まれたての赤ちゃんの口の中にはミュータンス菌等のむし歯菌は存在しません。母親や周りの大人から虫歯菌が侵入し感染します。食べ物を口移しで与える事や大人が使った箸やスプーン介して与えては行けません。
詳しくはかかりつけの歯科医の先生に相談しましょう。

幼児期前半(乳歯萌出期)の食育支援

食事の自立のための食育支援(自食の発達を促し、歯でかむ支援の仕方を学ぼう)

離乳完了の目安は、いろいろな条件により異なりますが、一般には乳歯の奥歯が生えてかみ合う1歳6ヵ月ごろです。繊維質や弾力のある食べ物を噛み潰すには顎の動きが必要となり、奥歯を左右に動かすことですりつぶす運動が行えます。

歯の萌出に応じた咀嚼機能獲得のための支援

○上下の前歯が生えてきたら前歯を使って食物をかみ取らせましょう
○上下の奥歯が生えてきたら繊維質に富んだ食物を食べさせすりつぶし運動を始めさせましょう
○早食い・過食にならないようかんで食べる調理の工夫をしましょう
○薄味でも満足感が得られるようゆっくりかませて食べさせる工夫をしましょう

咀嚼機能が上手に営めるための食具を使った食べ方の支援

○口の動きに合わせて手づかみで食べさせましょう
○スプーン・フォークの使い方を体験させてあげましょう

口腔機能(咀嚼・構音・表情表出)の発達を促す食べ方の支援

○硬軟、大小、硬さや大きさの異なる種々の食品をゆっくり食べさせてあげましょう
○唇を閉じたままの咀嚼を促しましょう

幼児期後半(乳歯列完成期)

集団で食べるためのマナーとしっかりと噛んで食べる食育の支援

○生え揃った乳歯を使いしっかり咀嚼させましょう
○食物の硬軟、大小、粘度などに応じた食べ方を教えましょう
○五感が満たされる食べ方を教えましょう
○食事時の右手、左手の役割を理解し、口の動きとの協調を教えましょう
○食具としての箸を使った食べ方を教えましょう
○よくかんで少量でも十分な満足感が得られるような食べ方を教えましょう
○早食い、丸のみ、食べ過ぎを防ぐためにしっかりかむ習慣を身に付させましょう

哺乳反射の種類とその消失!

生まれたての赤ちゃんが、お母さんのおっぱいを吸えるのは、生まれもった本能で哺乳反射がそれに当たります。
哺乳反射は脳も未熟で発達していない、目や耳、鼻などの感覚器官はもちろん手や足も満足に動かせない時期に栄養を取り込むために必要な機能です。
哺乳反射には3つの種類があります。

①探索反射(たんさくはんしゃ)

唇や口の周りに触って刺激を与えると、刺激された方に顔を向けて、刺激したものを口の中に取り込もうとする反応のことを言います。

②吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)

探索反射で口の中に取り込んだものを、舌で包んでしごくように動かす反応です。

③咬反射(こうはんしゃ)

奥の歯茎に触れると口を閉じて噛みこむ反応です。

これらの反射は、生後4,5ヶ月たった頃からだんだん少なくなっていきます。そして、6,7ヶ月する頃になると刺激を与えてもほとんど反応しなくなります。赤ちゃんが「哺乳反射」をしなくなると、そろそろ離乳開始のサインとなります。生まれたばかりの赤ちゃんは食物を食べることは出来ません。しかし、哺乳反射が見られなくなると自分の意志で食べ物を噛んだり飲み込んだりする「随意運動」が徐々に発達します。赤ちゃんにおっぱいを飲ませようとすると反応が鈍くなったりまったく反応しなくなる頃が離乳の最適時期と言えます。