むし歯について
一番大事な事はむし歯にならない様にすることです。
つまり、日頃からむし歯にならない生活習慣を心がけ予防歯科に取り組みましょう。
メニュー
○むし歯の４大要因 について
○ドクターのアドバイス 予防歯科 について
○ミュータンス菌 について
○再石灰化と二次う蝕 について
○唾液のはたらき について
むし歯の４大要因
むし歯は、口の中に住んでいる細菌が作り出す酸により歯が溶ける病気で、歯科学的にはう蝕（しょく）と呼んでいます。
以前からむし歯は、むし歯菌・歯の質・糖分及び時間因子の4大要因が重なった時に出来るとされてきました。
しかし、この4大要因の影響度は個人差が大きく4大要因が揃っても必ずむし歯になる訳では有りません。
現在はこの4大要因に加えて唾液の性状や分泌量、飲食回数、糖分とむし歯菌が歯についている時間など、多くの要因がむし歯のリスクになると考えられています。
4大要因が揃っていても日頃の生活習慣やケア次第でむし歯は防げるという事です。
ドクターのアドバイス 予防歯科について
予防に重点を置き口腔内の食育による健康を保つ事が大切だと考えています。
歯科治療を受けた後からでも予防歯科に重点を置く事をお奨め致します。
治療後、歯が痛くなくても2～3ヶ月に1回程度のメンテナンスを行い、
普段から食育や予防歯科に心がけて頂きますと歯は悪くならず治療する必要も無くなります。
ミュータンス菌
むし歯菌の代表はミュータンス菌です。
実はこのミュータンス菌は、生まれたての赤ちゃんの口の中には存在していないのです。
しかし、乳歯が生え揃ってくる1歳半～2歳半頃に感染します。
感染源は、ミュータンス菌を持っているご両親などが口移しで食べものを与えたり、同じ食器や箸、スプーンを使ったりする事が原因とされています。ミュータンス菌が歯に付着し歯垢（プラーク）を作り、食べ物の中に含まれる糖質（とくに砂糖）を代謝し、歯垢の内部で酸を作ります。この酸が歯の成分で有るカルシウムやリンを溶かし、むし歯になります。
口の中に入ったミュータンス菌は食べ物や飲み物に含まれる糖分、特に砂糖を代謝してグルカンというネバネバした物質を生成し、歯の表面を覆うエナメル質にそれをつけて自分の住む場所を作ります。この細菌の住かが歯垢でネバネバとした状態で歯にくっついています。
ミュータンス菌は住かで飲食物中の糖分を分解して酸を作り人体でもっとも硬い組織であるエナメル質を溶かし、歯のミネラル分であるカルシウムやリン酸を溶出させます。
これを脱灰（だっかい）と言います。この脱灰がむし歯の始まりとなります。
※エナメル質が溶け始める水素イオン濃度はpH（ペーハー）5・5の酸性です。
再石灰化と二次う蝕
酸の原料は飲食物中の糖分で、食べたり飲んだりするのをやめれば、酸も作られません。
酸性になった口の中も唾液の働きで中和されます。唾液はリン酸やカルシウムを含んでいますので、
脱灰された歯を修復する働きが有り、この作用を、再石灰化と呼んでいます。
私たちのお口の中では飲食の度に脱灰と再石灰化が繰り返されて、脱灰が起こっても、再石灰化されていればむし歯にはなりません。
でも、いつも糖分を口にしている、いわゆる、だらだら食いをしていると、唾液による中和や再石灰化が間に合わず、 脱灰された部分が続きその部分がむし歯に発展してしまいます。
歯垢はできた直後は、歯ブラシでこすれば取れまが、歯みがきが不十分で磨き残しが有ると、次第に歯垢の厚みが増し、エナメル質の周囲でバイオフィルムと呼ばれる膜をつくり、 その中で菌が増殖し、唾液はバイオフィルムに邪魔されてエナメル質に触れる事が出来ず再石灰化の機能が発揮出来なくなります。
一方、歯垢内で作られた酸は拡散しないので高い濃度でエナメル質を侵し続け益々増殖します。ミュータンス菌がいるのは歯垢の中で、むし歯になりやすい歯は、歯垢がつきやすく、また歯を磨いても落としにくい奥歯や、噛み合わせの溝の部分、歯と歯ぐきとの境目、隣り合う歯と歯の間の面などです。さらに、大人の場合、治療した歯があると、詰め物と歯の隙間にミュータンス菌が入り込み治療した歯が再びむし歯になりやすく、これを二次う蝕と呼んでいます。
唾液のはたらき
私たちは生きていく為に、お口から飲食を行います。食べ物をよく噛むとその刺激が脳に伝わり、唾液が分泌されます。唾液は「消化を助ける」ほかに口内の環境を守る重要な働きを持っています。
唾液には下記の役目を担っています。
1.溶解作用・・・味物質を溶解して、味覚を促進させる
2.保護作用・・・歯の表面に皮膜をつくり、虫歯を防ぐ
3.洗浄作用・・・食べ物のカスを洗い流す
4.円滑作用・・・発音や会話をスムーズにする
5.pH緩衝作用・ pHを一定に保ち、細菌の繁殖を抑える
6.抗菌作用・・・抗菌作用を含んでおり、病原微生物に抵抗する
ドクターのメッセージ
患者さまが訴える声を大切にしております。
むし歯にならない様に予防することが大切です。