板野の皆さん、こんにちは。
今日から喫煙で起こる口内トラブルに関して、数回に渡ってお伝えします。
まず、喫煙が体によくないことを知らない方は少ないでしょう。
喫煙をすることで肺がんや肺炎、心臓病、脳卒中を発症するリスクが高まることなどはよく知られていますね。
ですが、口内の疾患と深く結びついていることをご存じない方は意外と多いようです。
食生活や嗜好などが関係して発症する病気を生活習慣病と呼び、喫煙が関係して起こる生活習慣病の中にはがんや循環器疾患、呼吸器疾患などがありますが、実はそれらの疾患と並んで歯周病や虫歯も喫煙が原因で引き起こされているのです。
では具体的にはどういった問題が口内で起こりうるのでしょうか。
煙草の煙の中には約4000種類もの化学物質が含まれていると言われていますが、その中の約200種類が有害物質であり、とくにタール・ニコチン・一酸化炭素の三つが代表的です。
タールは喫煙者の方はご存知のように、歯の表面にくっついて茶褐色に変色させるとともに、その量が多くなると歯の表面がざらざらになります。
ざらざらになってしまうと、その部分には歯周病の原因であるプラーク(歯垢)がくっつきやすくなります。
プラークは病原菌のかたまりで、その病原菌が私たちの体内に入り込んで、歯周病を引き起こす原因になってしまいます。
ニコチンには体の免疫システムを狂わせて、細菌の進行を早めてしまったり、口内の傷口を治す細胞の働きが鈍くなって、治療をしても思うように歯周病が治らなかったりします。
一酸化炭素の影響も深刻で、一酸化炭素中毒で命を落とす人がいるように、血液中にあるヘモグロビンとこの一酸化炭素は結びついて、組織を生きながらえさせるために必要な酸素が、各臓器に運ばれない状態を作ります。
そうなると、各臓器の働きが鈍くなったり、止まったりするなど、臓器の機能に悪影響を及ぼすことが考えられます。
そしてこれも、歯周組織で病原菌に対する抵抗力を鈍らせる方向に働き、結果歯周病が進行しやすくする原因になると言えます。
喫煙することで有害物質を体内に取り込んでしまい、その結果、歯周病や口腔がん、色素沈着、口臭などの問題が起こるようになります。